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***** アウロラの歴史と特徴 *****


イタリア最初の万年筆製造業者として、1919年、筆記具業界の黎明(アウロラ)たらんと、イタリア北西部ピエモンテ州の工業都市トリノ市(2006年冬季オリンピック開催都市)で、創業しました。
以来100年以上にわたり、時代の最先端を行く独創的なデザインや機構により、「機能」と「デザイン」の一致を常に追求し、ペン先からクリップ・ボディに至るまで、自社工場で生産している数少ないイタリアのトップメーカーです。(生産工程)イタリアの代表的ブランドのデザインが、常に世界のファッションに影響を与えているように、代表的「MADE in ITALY」のひとつであるアウロラのデザインや色使いは、ペンの世界においても、影響を与えています。その歴史は、イタリアのペンの歴史であるといって過言ではありません。


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リザーブタンク付ピストン吸入方式

リザーブタンク付ピストン吸入方式
アウロラの万年筆には、デザインだけでなく技術的にも最新の技術が用いられています。
両用式タイプのモデル(アルファデュオカルトイプシロンなど)は、キングサイズ・インクカートリッジまたは吸入器(インクコンバータ)が装着できます。
インクボトルからインクを吸入するタイプのモデル(限定品88(オタントット)オプティマなど)には、アウロラ独特の「リザーブタンク」が装着されていて、インク切れを一時的に解消することができます。


リザーブタンクの使い方

リザーブタンクの使い方
筆記中にインクが切れた場合、図のようにお尻のノブ(尻軸)を回して、軽く止まるところで緩めたままにしておくと、ピストン内のリザーブタンク(予備タンク)からインクが供給される仕組みとなっています。
尻軸をそのままにして書き続けると、A4で1~2枚程度書き続けることができる便利な機構です。
(注:ペン先字幅・筆圧等により個人差があります)



クリップ

クリップ(ジュエリークリップとYクリップ)
ブランドを特徴付けるクリップは、機能だけでなく、ブランドの顔であり、使われる方のセンスを示す、デザインのポイントとしても重要なパーツです。
アウロラでは、オプティマ88(オタントット)そして一部の限定品には、金属板を細かく叩いて作り出される「ジュエリークリップ」が装着されています。
また、イプシロン・シリーズには、イタリア語の「Y(イプシロンと読む)」を形取った「Y-クリップ」が装着されています。





ペン先

ペン先
アウロラは、ペン先からボディに至るまで、自社で製造している世界でも数少ないメーカーの一つです。
ペン先は、金の板を何回も折り曲げることにより、材料に強度と柔軟性を与えます。この板をペン先の形状に切り抜き、イリジウムの取り付けなど何段階かの工程を経て作り出されます。

ペン先と一体になってインクを供給する部分であるフィーダー(ペン芯)に、多くのメーカーがコスト面などから様々な樹脂を使用しますが、アウロラでは、インクと親和性の高いエボナイトを使用しています。



金銀製品-1

金銀製品
金銀の、いつまでも変わることのない輝きと性質は、人々を魅了する宝飾品としてだけでなく、家電製品からハイテク産業まで、必要不可欠な金属材料として重要な資源です。

イタリアでは、ソリッドゴールドやソリッドシルバーは、普段の生活の中でごく自然に使われています。したがって、製品に対する消費者の目も厳しく、高度な品質と、適切な価格が要求されます。その証しとしてのホールマーク(純分検証刻印)は、大変厳格な基準に基づいて打刻されています。
アウロラ製品に打刻されている<☆5 TO>は、イタリアでは一級品に使用されているトリノ市の検査所のホールマークです。


(注:機能的または技術的理由により異なる金属を使用している部品には、「M」の刻印がされています。) 金銀製品-2


アウロラの銀製品は、銀本来の美しさを出すために、変色防止加工をしていません。
「銀は変色するもの」ですから、純度の高い銀製品は、長時間使用せずに手入れをしなければ、必ず変色します。
最良のお手入れ方法は、毎日お使いいただき、柔らかい布で汚れを軽く拭き取とることで、その美しさを保ち、銀製品本来の風合いになっていきます。
グリップ部分がシルバーで、ペン先のインク供給部にエボナイト使用している製品(Ambiente/Oceano/Caesarなどのタイプ)は、キャップを長時間締めたままにした場合、エボナイトに含まれる硫黄分の影響を受けて、変色することがあります。上記の方法でお手入れをしていただければ元の輝きが戻ります。




アウロロイド-1

Auroloido - アウ口口イド(アウロラ樹脂)
オプティマや一部の限定品は、アウロロイド(特製アウロラ樹脂)の板から、ブロックを切り出し棒状にしてから削り出します。そして、中をくり抜きキャップや胴軸の形状にし、何段階かの磨きの工程を経て、ペン先・ピストン・クリップなどを取り付け、キャップを取り付け、1本の製品にします。

アウロロイド-2


この削り出しの工程により全く同じ柄のものは存在せず、手作り以外では作りだせないペンの味わい深い仕上がりが、アウロラの魅力かつ特徴となっています。




     << アウロラの歴史 >>

1919年、イタリア最初の万年筆製造業者として、筆記具業界の黎明(アウロラ)たらんと、2006年冬季オリンピックが開催されたイタリア北部の工業都市トリノ市で、ヴェローナ家(創業家)によって、アウロラ社(Fabbrica ltaliana Pene a Serbatatoio)が創業を開始しました。
そして、その100年以上の歴史の中で、ペンのデザインや機能の開発は、イタリアのみならず世界中の筆記具に影響を与えてきました。


アウロラ歴史ページ画像1
アウロラ歴史ページ画像1 アウロラ歴史ページ画像1

写真は、
第二次大戦で破壊された旧工場で奇跡期的に残った当時の扉
1920年代のポスター

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初期の製品には、インクの充填方式が、スポイト方式のものとレバー式(A.R.A として知られているアウロラ社独自の方式)のものがあり、ボディは黒のほかに、18金張りや金無垢の製品がありました。 イタリアのペン業界では、米国の影響を受けたものが多い中で、アウロラ社は、独自のレバー方式や太軸のセルロイド製のものを製造し、常に独創的なデザインや、機構・機能を持つ製品を創業以来製作し続けています。

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1925年、アウロラ社は企業組織の大幅な改革を行い、「AURORA」ブランドを更に向上させるための基礎が形成されました。 2つの新しい製品(「OLOオ口」「ASCO アスコ」)が発表され、オ口は新聞販売業者によって、鉄道の駅で販売され、アスコは、企業の宣伝広告用に限って販売されました。この時代にアウロラ社が、様々な市場へ参入するために、製品や生産及び販売を多様化させるといった今日のマーケテイング論を、既に採用していたということは、注目すべきことでしょう。

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1930 年代、イタリア国内市場は堅実に成長し続け、アウロラでは「NOVUM ノヴァム」シリーズを発表し、成功を収めました。 このノヴァムシリーズは、デザインなどバラエティーに富んでおり、機能的には、画期的なレバー方式のインク充填方式やクリップ機構を持っていました。
この頃、現在のオプティマの原型となる製品が開発されました。

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1934 年には、ペンを振るとペン先の出る「アステローペ」が開発されました。その翌年には、アフリカ戦線で戦っているイタリア軍兵士のために、キャップにローマ帝国の鷲が付いた、白いセルロイドのペン、「エチオピア」が製造されました。また、アフリカ戦線の砂漠の戦場でペンを使用出来るように、固形のインクも開発されました。

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また同時期に、エコノミーモデルのセネレ及び、ウォルトディズニーの商標を付けたものとしては世界で2 番目の製品である、トッポリーノ(ミッキーマウス)シリーズを発表しました。

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1940 年代、著名な工業デザイナー、マルチェロ・ニッツオーリのデザインによる「88」が発表されました。尻軸を回転して内部のピストンを上下してインク充填する最新の方式で、素材は全体が樹脂のもの、ゴールドプレート・キャップのもの、そして全体が18 金張りのモデルがありました。「88」は、大きな成功を収め、この時代にヨーロッパでは1.000.000 本以上の販売本数を達成しました。50年以上経った現在でも、イタリアではそれを所有する人々にとって宝物のように扱われています。
この「88(オタントット)」は、現在、新機能を装備した復刻モデルが発売されています。

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1954 年、「88」シリーズのカートリッジ版、「デュオカルト」が発売されました。そのインクカートリッジは、ノーベル賞科学者ナッタ博士により開発された、ポリエチレン製のカートリッジで、同時に予備のインクカートリッジを胴軸内に収納することが出来る、世界最初のペンでした。(現行のカートリッジ仕様で復刻モデルが発売になりました)

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1963 年、「アウレッタ」が発表されました。特に、学童向けに開発された、丈夫でカラフルなペンで、イタリアの子供たちの筆箱には「欠くべからざるもの」となりました。

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1970 年は、アウロラ社にとって重要なターニングポイントとなりました。ミラノ市営バスのデザインなどで知られる、著名な建築家、マルコ・ザヌソにより、画期的なペン「アスティル」がデザインされました。このペンは、筆記具として初めて、MOMA(ニューヨーク近代美術館)に永久展示保存されました。ペンには、ID ナンバーが刻印され、品質管理が徹底されています。この「アスティル」は、マットブラック、スターリングシルバー、バーメイル、ゴールドプレート、ラッカー仕上げ、18 金ソリッドゴールドなど各種の素材で提供されました。また、同型のボールペンも発売されました。

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アスティルに続き、マルコ・ザヌンは、「テッシー」ボールペンをデザインしました。この平らで斜めにカットされた形状のボールペンも、MOMA によって永久展示保存されました。これらの成功により、アウロラ社の海外市場への進出が始まりました。

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1986 年、「KONA コナ」シリーズが発表されました。 このペンは、カーデザインで有名なジウジアーロによるもので、ドーリス式円柱を連想させるネオクラシックな形状に、革新的な素材(金とチタニウムの組み合わせ)を使用し、ペン先の形状は鷲ペンを連想させます。 (日本国内未発売)



< アウロラの現在 >

アウロラは、1930年代50年代から続く88(オタントット)オプティマは、イメージは発売当時の趣を残しつつ、最新の内部機構を施し、常にアウロラのフラッッグシップモデルとなっています。


また、初めてアウロラに触れる方や、ファッションを重視する若い世代や女性にもペンを所有し、使う楽しさを知っていただこうと、アルファイプシロンスタイルなど、手軽にアウロラを使う楽しさを知っていただく製品も開発しています。

本社工場に併設されているミュージアム(Officina della Scrittura)は、書くことの楽しさや歴史を学ぶことのできる施設です。観覧後は、カフェレストランやミュージアムショップでのお買い物もお楽しみいただけます。


アウロラ社では、ペンを生産する職人の育成と技術向上のため、 限定品の製造をしています。限定品は、イタリアやその文化に関連するものや既存のモデルにその時だけの素材を使用して生産されます。収集家の間では、アウロラの限定品は、プレミアが付くほど人気が高く、各シリーズとも発売後ほぼ完売の状態となります。
アウロラは、イタリアで最初の万年筆メーカーの名称というだけでなく、デザイン、機能、素材など、筆記具の歴史の中でまさに特筆すべき点を表すペンの名称です。
アウロラ社の歴史は、イタリアのペンの歴史であるといっても過言ではありません。

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